籠(かご)の鳥(職員のつぶやき)

福祉従事者となり間もない若かりしころ、

大正末期から昭和にかけて流行した籠の鳥という歌謡曲で、

「 出るに 出られぬ 籠の鳥 」と口ずさむ入居者様がいらっしゃいました。

自分自身の境遇と照らし合わせ、口ずさんでいたわけではないのでしょうが、

入居者様が口ずさむたびに、胸を締め付けられる思いをしておりました。

ですから、入居者様が籠の鳥だと感じないように、

そんな思いで従事してきたつもりです。

しかし、現状はコロナ感染拡大の渦中にあり、外出どころか、面会すら不自由な状況、

孫を抱きしめたいと思っても、隔たるガラス扉

扉を開けようとされる入居者様を「ごめんなさい、開けられないんです」と制止する私がいます。

志していることすらも、制限される葛藤の日々。

あとどれだけ籠の鳥でいればいいのだろう。

ワクチンでも何でもいい、どうか、どうか、この籠の鍵をあけて下さい。

 

 

 

 

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まほろあいら
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