記憶は失っても残る感情（職員のつぶやき）
もう10年ぐらいになるだろうか、私の祖母は入院している。
認知症である祖母は、孫の私を見ても孫だとは理解できていない。
最近は言葉数も減り、ここ数年は会話すらできていない状態だ。
1週間ほど前、入院先の医師に呼ばれ、祖母の状態が悪く、残された余命が多くないことを伝えられた。
なので、ここ最近は時間を見つけは祖母の面会に足を運ぶようにしている。
先日病院へ足を運ぶと看護師さんから「先日お孫さんの名前を呼んでいらっしゃいましたよ」と言われた。
すぐに看護師さんは「お孫さんですか」と聞き返されたそうで、
祖母はこくりとうなづき、「大事」と答えたとのことだった。
認知症になり、日々記憶は失われていく中、家族は大事だという感情は失ってはいなかったのだ。
今、私に何ができるのだろう？
明確な答えは持っていない。とりあえず大切な祖母の元へ足を運んでみようと思う。
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